【UE5】複数のアクタを1つにまとめるならどれがいい?
UEではインポートしたアセットモデルをシーンに配置した際に呼ばれる名称を
アクタ
といいます。
このアクタを複数選択して1つのアクタにしちゃいましょうということをお話したいと思います。
では、アクタを1つにすることで背景制作にどう影響があるのでしょうか?
- 同時に動かさなければならないアクタを選択する手間がいらなくなる
- 移動や回転、スケール調整が楽になる
正直、「効率がアップする!」と「シーン構築がしやすくなる!」ということでしょうか…。
否!(いなっ!)それだけではない!
このサイトは実践を前提にしているため、肝心なことが抜けています!
それは、
「ドローコール数が減って、読み込みが速くなる!」
どうです、意外でしょう…、これが実践です!!
ゲーム背景を作ることは「読み込み速度」「処理負荷」との闘いが必ず起きるため、油断していると後々必ず痛い目に合わされますので注意しましょう。
さて本題に入りますが、タイトルにあるように複数のアクタを1つにする方法で思いつくのが
- アクタのマージ
- Levelインスタンス
- BP化
このあたりになるでしょうか。
私は上記の方法を使用し背景を構築して思っている特徴を紹介します。
・アクタのマージ
決まった複数のアクタを1つにして配置して使うことができるが、編集ができないのが難点。
・Levelインスタンス
UE5から追加されたシステムですが、
静的で使用するという点ではBPと同じことができます。
選択して【CTRL】+【E】キーで編集モードに切り替えて編集ができる。
※WorldPartitionのレベルで使用する際は、LevelインスタンスもWorldPartitionで作成しないと警告文が出るので注意しましょう
(動的は使えるのか検証できていないため、ここではわからないと記載しておきます)
・BP化
1つにした後に配置して使っていくが、後々アクタの追加や削除ができるため編集がしやすい。
ただBP化直後は動的になっているため静的に変更しないと処理負荷がとんでもないことになってしまうため注意が必要です。
それと上記で記載した通り静的だけでなく動的で使用も可能のため、背景で動くものを用意する際はBPを使用するほうが良い。
まとめると、配置後にアレンジがしやすい。
どれも一長一短なものですが、
このサイトでは実践を重視した応用を推奨しているため、これらを単体で使うのではなく複合させて使うこともありかなと思いますので、試案しながら使用していくと楽しいでしょうね。
この中でもアクタのマージを使用する際にもう少し説明が必要になります。
■アクタのマージについて その1
こちらの方法はマージするというところのみで行えるようだ。
■アクタのマージ その2
- 【マージ】:オリジナルのUVを保持したまま、新たにスタティックメッシュを生成する。原点は生成されたスタティックメッシュの中心になります。
- 【単純化】:1つのアセットモデルになり、新たにUVおよびテクスチャを生成する。原点はシーンレベルのワールド座標0,0になるため、配置する際に迷子になりやすい。
- 【バッチ】:オリジナルが非表示になり(Play中も非表示になります)、移動・回転・スケールのみ調整できるインスタンス化されたアクタを生成します。(通常の複製と変わらないです)
- 【近似】:【単純化】と同じですが、設定の細かさに差異がある。(生成の際に厚さのチェックを外さないとエラーが出る)
■二つの方法があるが
マージを行う方法が2つあるが、ここで気になることがあるので書いておきたい。
それは、LumenMeshCardだ!
マージした後にこのLumenMeshCardがどうなっているかを調べてみたが、まずは下記の記事を一読しておいてもらいたい。
読んだことを前提でまとめると、
◇モデリングモード
- 【StaticMesh】:LumenMeshCardが生成される
◇アクタをマージ
- 【マージ】:LumenMeshCardが生成されない
- 【単純化】:LumenMeshCardが生成されない
- 【バッチ】:LumenMeshCardが生成される
- 【近似】:LumenMeshCardが生成される
となった。
■まとめ
このLumenMeshCardが生成されないのは不安でしかないため、生成するを前提で使用していくとなると、【モデリングモード】から【Merge】で生成する方法(その1の方)を取りたいと思う。
理由としてはLumenMeshCardの生成の有無もあるが、手数の少なさと単純な設定というところが気に入っている。それと、今後のUEの進化を考えるとLumenは外せないシステムなのは否めない。
マージすることはないとも言えないが使用するならということを忘れないでほしい。あくまで何を選択するかは開発者側で決めていただきたいと思う。
まだまだ知ってもらいたいことはあるが、いったんはこれで終了としたい。